Bunkamura+大人計画「キレイ-神様と待ち合わせした女-」

国産ミュージカルとしては超ド級のミュージカルだ。みごとな構成、パッチリきまった音楽、豪華な出演者 で、4時間近い舞台は一瞬たりとも目が離せない。 作・演出:松尾スズキ、音楽:伊藤ヨタロウ。博多座で観た。 (あらすじ) 三つの国に分かれ、民族戦争が100年続く“もうひとつの日本”。争いのさなか、民族解放軍を名乗る集団に誘拐監禁されていた少女が10年ぶりにソトの世界に脱出した。過去をすべて忘れた少女は自ら“ケガレ”と名乗り、大豆でできたダイズ兵の死体回収業者のカネコ組の仲間となる。ダイズ兵を食用加工するダイダイ食品の社長令嬢カスミとも奇妙な友情で結ばれるケガレ。死体を拾い小銭を稼ぐ彼女を見守るのは、成人したケガレであるミソギだ。死に憧れながら死ねないダイズ兵のダイズ丸、頭は弱いが花を咲かせる能力を持つハリコナ、誘拐監禁しないと女性と一緒にいられないマジシャンらとも出会い、過去、現在、未来が交錯する時間の中で、ケガレは忘れたはずの忌まわしい過去と対決することになる。(大人計画HPより) 趣向をイヤというほど詰め込んだ壮大な舞台だった。2000年に初演されて評価は高く、今回は4度目の上演になる。 オリジナルの脚本で、描かれることは松尾スズキの頭のなかで大きくデフォルメされ再構成されデコレーションされたものだが、その程度がけた外れだ。発想も表現の幅も圧倒的に広くて大きい。 時間も空間も多重で多層なところを自由に飛び回る。奇矯な人物たちが大河ドラマのように大きく長期間にわたって絡…

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後期高齢者となる不安

高齢医療、歯止めなき「単価」膨張 地域格差も広がる 漂流する社会保障 NIKKEI Investigation https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54275570Q0A110C2SHA000/ *** 1人あたり医療費は受診者や受診回数の増加、入院の長期化のほか、高額な薬や治療で高くなる。 厚生労働省によると75歳以上の人口1人あたり医療費は年約92万2千円(17年度)で、75歳未満の21万7千円に比べ約4.3倍。伸び率は08年度から1.11倍と全体の1.25倍を下回るものの、高齢者数が急増しており、総額の伸び率は1.47倍で全体の1.24倍を上回る。今後は団塊の世代が75歳以上となるため、総額は急増する見込みだ。 政府は75歳以上の窓口負担を一定以上の所得がある人は原則1割から2割に引き上げる方針だが、医療費の使い方(給付)も適正にしなければ現役世代の負担は重くなり、支えきれなくなる。 *** 後期高齢者1人あたりの平均医療費が年約92万2千円ということは、1人あたり月々8万円近くかかっていて、1割負担で1人あたり月々8千円払っていることになる。そんなにかかるのかと思う。 1人あたりの平均医療費が75歳未満の21万7千円に比べて約4.3倍というのも恐怖だ。 はるか先だと思っていた後期高齢者まであと1年と少し。とにかく健康でいなきゃ。

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ココムレイドプロデュース「神の子」

観たい俳優がここまでそろうとそれだけでもウハウハだが、その俳優たちの丁々発止のやり取りがまた楽しめた。 作・演出:赤堀雅秋。午後6時から8時まで、福岡国際会議場大ホールで観た。 (あらすじ) 池田(大森南朋)、五十嵐(田中哲司)、土井(でんでん)。路上で警備員として働く3人は、行きつけのスナック、趣味のパチンコと常に一緒にいる。3人そろって独身で貧乏。目的も展望もない生活にウンザリしつつも、抜け出すほどのヤル気はなく、漠然とした不安の中でただ日々をやり過ごしていた。 ある日、池田に若くきれいな田畑(長澤まさみ)と斎藤(石橋静河)という二人の女が声をかけてくる。彼女らの誘いを受け、池田は街頭でのゴミ拾いボランティアに参加することに。 出演者は、あらすじ記載の 大森南朋・長澤まさみ・でんでん・石橋静河・田中哲司 と、江口のりこ・赤堀雅秋 ほか。 40代、50代、60代の3人のアルバイト警備員の親密さからくる突っ込んだやり取りがエグい。3人の俳優とスナックのママ(江口のりこ)の絶妙な演技によって、かれらのきびしい状況が浮き彫りにされていく。 彼らとは隔絶した世界にいるとしか見えないボランティアグループリーダーの田畑に惹かれていく池田と五十嵐だが、田畑もその相棒の斎藤もそれぞれに抱えているものがある。 10分ほどの場を12、テンポよく積み重ねていく。山場の第11場、ボランティアグループのウィンターキャンプで、アルバイト警備員たちとボランティアグループリーダー2人との思…

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