大村昆著「昆ちゃん ぼくの昭和青春譜」
大村昆は1931年生まれの86歳。この本は2016年、著者84歳のときの出版で、聞き書きは小泉カツミ氏。
「僕が辿ってきた戦後から復興の時代、テレビ黎明期の軽演劇の出現と変遷、昭和の芸能の世界をちゃんと記録しておきたい」からと、大村昆はこの本の意図を語っている。
「番頭はんと丁稚どん」のアホ役などでで子どものころから慣れ親しんだ昆ちゃん。田舎に行くと今でもオロナミンCのホーロー板広告にお目にかかれるかもしれない。
大村昆は、キャバレのボーイなどをしていた20歳直前に肺結核に罹り、右肺を切除して1年半の療養生活を送っている。この人の芸風がそれと関係しているのがわかる。
「昆ちゃん秘話」に登場する芸人たちのエピソードが楽しい。