小松和彦著「妖怪文化入門」
馬場あき子「鬼の研究」や赤坂憲雄「境界の発生」など、芸能や祭礼と関係するような書物は読んできてはいるが、その位置づけがわからずに単発で終わってしまって繋がらない。
この小松和彦「妖怪文化入門」は、これまでの日本における妖怪研究の経緯を簡潔にまとめていて、単発の知識が繋がってくる。
特に巻頭45ページほどの「妖怪文化への招待」における妖怪と妖怪文化の説明はとてもわかりやすい。
憑きもの、河童、鬼、天狗、山姥、幽霊、異人・生贄、境界について、それぞれの妖怪文化研究の足跡を偏りなく紹介していく。巻末の参考文献一覧も参考になる。