寺山はつ著「母の蛍 寺山修司のいる風景」
今月17日に見たドキュメンタリー映画「あしたはどっちだ、寺山修司」 で、寺山修司の母・はつの生き様が衝撃的だったので、はつ自身がどのように書いているのかを知りたくて読んだ。
この本は、寺山修司の死のほぼ2年後の1985年に出版されている。はつの寺山修司に対するラブレターにしか見えず、寺山修司もはつ自身もぼかされ美化されている。
はつはこの本で、寺山修司を一貫して「修ちゃん」と呼んでいる。
はつはとても美人だ。母ひとり子ひとりで、はつは息子の3年間の入院療養と大学進学を支えるために必死に働いた。そのあたりの厳しさにはあまり触れずにやや牧歌的に流されている。
寺山修司の最初の結婚相手・圭子さんのことについては触れているのに、九条今日子さんについてはまったく触れていないのが気になった。