「地点」のパワハラ:観客に対する暴挙を糾弾する

山本握微氏のツイート。 https://twitter.com/elevator_p/status/1189458725435670529 これを読んで、「地点」のやることのあまりの非常識さに、驚愕し絶望した。劇団の暴挙を糾弾する。 地点のパワハラ問題をスルーしたら、演劇界に未来はない|のんちゃんのつれづれ http://naginon.seesaa.net/article/470890433.html 劇団内のパワハラの問題について地点から何の説明もないのは、まったく不誠実である。 地点のパワハラのことを映演労連フリーユニオンのHPで知って3週間ほどになるが、地点はちゃんと説明するべきだとする意見が増えてきていたところだった。そういう意見は無視して、何の行動も起こさない。 そんななかで起こった今回の公演会場における、一観客である山本握微氏に対して劇団がした行為は、暴挙以外の何ものでもない。 公演は社会的なものであって、劇団や劇場の私有物ではない。「公演妨害の疑い有り、返金するから退出せよ」と主催者が勝手に判断して退出を強要することは、許されることではない。私物の鞄を持ち去る、というのは犯罪行為だろう。 そんな劇団の意向を受けて観客を排除しようとした劇場も糾弾されてしかるべきだ。劇場は観客を守らないのか。 劇団と劇場は早急に事実関係を会見なり文書なりで示すべきだ。 <追記2019.11.1> 本件についての劇団からの状況の説明…

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三遊亭圓歌「やかん」(録画)

襲名したばかりの四代目三遊亭圓歌の「やかん」を、NHK-Eテレの「日本の話芸」の録画で見た。相変わらずだった。 古典落語として「やかん」をやるわけではない。形としては先代林家三平の「源平盛衰記」に似ているが、三平のように本題に全く入らないまま終わるというところまではいかない。 はじめの10分強は先代圓歌の話で、それなりにはおもしろい。そのあといちおう本編には入るが、八五郎が隠居を問い詰めるという話の骨子はそのままでも、出てくるものは現代のものに置き換えられていて、これ「やかん」か?という感じだ。 30年ほど前に企業内研修で当時歌之介だった四代目圓歌の講演を聴いた。コンプレックスをバネにいかに成り上がるかといった話で、自分のコンプレックスを強調するような話し方だった。落語でもそんな話し方で、いまもそれは変わらない。 話の区切りごとに、客に媚びるように上目遣いでじっくりと客席を見渡して、客の反応を確かめるしぐさを意識的に繰り返す。そんなことしなくても十分に受けているんだけど、この放送では客席の音をちゃんと拾ってなくて、受けている感じがないのが残念だった。 これを聴いたあと、三代目三遊亭金馬の「やかん」を聴いた。絶品だった。

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南條隆とスーパー兄弟「10月博多新劇座公演 夜の部」

第一部のお芝居「龍馬とおりょう」と第二部「踊りと唄のグランドショー」の二部構成で、3時間楽しませてはくれた。 第一部の「龍馬とおりょう」は大衆演劇でよく上演されている演目のようだ。 冒頭の龍馬とおりょうの出会いのあとは、ラスト近くの寺田屋の場面までおりょうの出番はない。おりょうの出番がないあいだ、土佐勤皇党の武市半平太や岡田以蔵、新撰組の近藤勇や土方歳三とのやり取りなどで、龍馬の人となりと活躍が描かれる。 1時間20分ほどの舞台なのに10場ほどもあって、捕り物の場面では10人以上もがいっしょに舞台に登場するなど作りはていねいだが、話は大衆演劇風にはしょってあって甘い。龍馬を総座長龍美麗が出ずっぱりで演じ、座長三代目南條隆が中岡慎太郎を笑わせ役で演じる。おりょう(龍魔裟斗だと思う)がちょっと弱い。 第二部「踊りと唄のグランドショー」は、15曲近くの踊りを1時間20分ほどでテンポよく見せる。 ここでも、徹底的に総座長龍美麗を見せる構成となっている。派手な照明のもと、現代風の衣装でのダイナミックに踊りは楽しいが、やや一本調子かな。 「南條隆とスーパー兄弟」は初代南條隆が1935年に熊本で「南條隆劇団」として旗揚げし、1964年に二代目南條隆(現在は「南條隆とスーパー兄弟」総帥)が座長襲名した。 2007年に二代目南條隆の息子の龍美麗と南條影虎が共に座長襲名した。 2014年には劇団で傷害・暴行事件を起こして、二代目南條隆、龍美麗、南條影虎が逮捕されている。 2015…

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