NHK ファミリーヒストリー「中村梅雀」(録画)
NHK総合で9月に放送された ファミリーヒストリー「中村梅雀~名優の家に生まれて 祖父の事件の真相~」を録画で見た。
現在63歳の中村梅雀。その祖父・中村翫右衛門と父・中村梅之助について多く触れていて、興味深い内容だった。
翫右衛門の舞台はかなり観ている。前進座の「佐倉義民伝」や民藝に客演した「もう一人のヒト」の印象が深い。
梅之助の舞台は観てはいるのだが、印象に残っている舞台を思い出せない。
梅雀の舞台は前進座を辞めてからのものをわずかだが観ている。
小芝居出身のために能力が認められなかった翫右衛門は、1929年に聴いた村山知義の講演に触発されて、旧態依然とした歌舞伎界を批判して新しい歌舞伎改革運動を始め、1931年に仲間とともに前進座を結成してその中心的な存在となる。放送では青年期の村山知義の写真が出てきてオッ!と思った。
1952年に起こった赤平事件では、会場に押さえておいた体育館が当日になって使えなくなる騒動でケガ人が出て、障害・器物破損の容疑で翫右衛門に逮捕状が出た。翫右衛門は逃亡しながらも舞台に立ったあとに行方をくらました。しばらくして北京放送から翫右衛門の声が聞こえてきた。1955年に亡命先の中国から“凱旋”帰国した。なんとも、やることのスケールが大きい。
梅之助の妻(梅雀の母)の光子は、元佐賀藩士で海軍少将を務めた山崎景則が63歳でもうけた八男・平八郎の娘だった。その光子の梅之助との結婚話がドラマチックでおもしろかった。
梅之助も梅雀も、名優を父…