yum yum cheese! 「いきたひと」

yum yum cheese! の旗揚げ公演演目である。午後7時からハコ町屋で観た。上演時間は約1時間45分。 作:永山智行、演出:和田喜夫、出演:松岡優子・古賀今日子・ののあざみ 宮崎の田舎に生まれ育った女性の一代記を、3人がひとり語りで演じる。 作、演出、俳優がともにキチンと役割を果たしていて、いい舞台だった。 作者の永山智行は、明治34年生まれの祖母・永山キセへの思いを語っていて、長年考えてきたテーマだとわかる。 語り口はさりげないが、転換点では“風”が出てくるし、“不在”の苦しみも“幻想”などで強調されて繰り返される。永山らしい“エロ”もちゃんと盛り込まれてる。 演出は、“演出したようには見せない演出”がしっかりとなされていて、わかりやすい。 3人の俳優は、そろって出るのは最初と最後に5分くらいで、あとは順番にほぼ30分づつ ひとり語りをする。 幼年期から青年期までを松岡優子が演じる。現れた異父弟に恋心を抱くシーンはドキッとするが、あとの不可思議な展開にも納得させられる。 中年期を演じるのは ののあざみ。ときに大阪弁調が強くなる宮崎弁のやや骨太のしゃべりで、中年女性のバイタリティと性的欲望をうまく表した。 老年期は古賀今日子が演じた。戦争で長男を失い、成人した次男は東京に出て行く。次男との同居をドタンバで断って宮崎に残る気持ちの揺れがよくわかった。 yum yum cheese! は、松岡優子(熊本)・古賀今日子(福岡)・ののあ…

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