嵐圭史舞台生活70周年記念公演「玄朴と長英」

嵐圭史舞台生活70周年記念公演を、午後6時半から8時50分まで福岡市立中央市民センターホールで観た。 内容は、「歌の花束をあなたへ」、「口上」、「玄朴と長英」。 「歌の花束をあなたへ」は、オペラ歌手・池田直樹による グリーンヴィル(むすんでひらいて)/荒城の月/まちぼうけ/つくだ煮の小魚/東武デパート物語(ユーモレスク)/「魔笛」の曲(曲名はメモできず) の6曲。池田の歌唱は軽やかで心地いい。「むすんでひらいて」がジャン=ジャック・ルソーの作曲だと初めて知った。上演時間約35分 「口上」は、前進座俳優の妻倉和子の嵐圭史とこの公演の紹介。妻倉による地歌舞「鐘ケ岬」と併せてあっていたのが、地歌舞が省略されて口上だけになったようだ。その口上での詳細すぎる作品解説は、却って観劇の感興を削ぐ。上演時間約10分。 「玄朴と長英」は、作:真山青果、演出:十島英明。出演は、伊東玄朴:池田直樹、高野長英:嵐圭史。上演時間は約1時間10分。 (あらすじ) 弘化2年(1845年)3月末、江戸・御徒町の蘭学医・伊東玄朴の家を、火災のため伝馬町の獄を一時釈放となった旧友高野長英が訪れる。硝酸銀で人相を変えた長英は、帰郷するための金を貸せと迫るが、玄朴は拒む。 激しいやりとりの会話劇だが、よくできた戯曲のきちんとした読み解きがなされていて、緊迫した舞台になった。 現実をキチンと見つめて堅実に生きる伊東玄朴と、理想に燃えてまわりを煽りまくって突き進む高野長英の議論は、互いのステイタスの変化…

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