ゆるやかなダンス革命in福岡 vol.1「ダンスをする→ダンスになる」

午後4時から5時50分まで、きょう2回目の公演を福岡アジア美術館 アートカフェで観た。 出演は、岩下愛、つかのみき、徳永恭子、真吉、宮原一枝、伴走者:手塚夏子 主催:ゆるやかなダンス革命実行委員会。 主催者は、この公演の主旨を次のように述べている。 「この企画は福岡で活動する5名のダンサーが、振付家・手塚夏子の『ダンスとは何か』という根源的な問いに対しての実験を試みることからスタートしています。 他者との〈ずれ〉や〈差異〉を否定せず、ムーブメントを重ね、反応を言語化していく過程を私たちは『ダンス公演』として位置づけました。 対話の手法としての『みる・話す・聞く』を表現に混ぜ込んだ革命的な光景に是非立ち会ってください。」 まず、宮原一枝からこれまでの経緯の説明があった。 5人は今年2月の、山崎広太氏を講師とするワークショップ「わたしと身体のゆるやかな ダンス革命 イン福岡」に参加した仲間だという。参加後、「それぞれにダンスの言語が違う」ことのために「どう見せるかで迷子になった」という。 そこで手塚夏子を伴走者として、違いをおもしろがって何かできたらと考えた。違いを見ていきいろいろな問いを発し、向き合って新たな問いを発していく。キーワードを元に踊って対話して、それぞれの取り組みを刺激しあうというやり方で進める―ということだった。 【真吉】自分が喜びを感じ心地よいと思う瞬間を人に見せても良いのか? 「ダンスになる」とは、①まっすぐ立つ ②内側からのきっかけを待…

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郷土の新作能 宝生流「桧原桜」

“日本全国 能楽キャラバン!大濠公園能楽堂開館35周年記念 プレ公演”と銘打たれている。 午後1時から3時半まで、アクロス福岡イベントホールで観た。 上演演目は上演順に、仕舞「箙」、仕舞「西行桜」、狂言「萩大名」、能「桧原桜」。 ■仕舞 宝生流「箙」シテ…佐野登 ■仕舞 宝生流「西行桜 クセ」シテ…辰巳満次郎 ベテランの能楽師の仕舞は安心して観ていられる。他の演目もそうだが、ホールのほうが能楽堂よりも声の通りがいいように感じられるのは気のせいだろうか。 ■狂言 和泉流「萩大名」大名:野村万禄、太郎冠者:吉住講、茶屋:吉良博靖 この演者による「萩大名」は3回目くらいかな。何回観てもおもしろい。笑った。 解説「桧原桜」白坂保行 (聞き間違いもあるかもしれず、以下の文の文責は薙野です) 新作能「桧原桜」は、平成22年(2010年)に九州大学大学院の学生により発案され、南区の協力と福岡市在住の能楽師により作られた。能の中で桜の精を演じる子どもたちが着る長絹(装束)は博多織で織られた。当初は観世流で作られたものを、今回は宝生流に書き直しての上演となる。 昭和59年(1984年)3月、福岡市南区の桧原にある樹齢50年のソメイヨシノ9本が道路拡幅工事により伐採されることになった。1本が伐られた翌日の未明、一人の住民が桜に次の歌を下げて、市長に「最後の花を咲かせて」と嘆願した。  筑前花守り進藤市長殿  「花あわれ せめてはあと二旬(にじゅん) ついの開…

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