雅楽レクチャーコンサート「雅楽はすごい!」
(写真は、PR TIMES の筑後地区観光協議会による記事より)
久留米シティプラザ 久留米座で午後2時から観た。2時間20分の実演付きのレクチャーで、とても参考になった。
大名有馬家久留米入城400年記念「雅楽・源氏物語」(9月18日開催)の関連企画で、久留米市・久留米市教育委員会の主催。昨年開催の予定がコロナ禍で延期になって今年の開催になった。
出演は、野原耕二(講師、音楽プロデューサー)、野津輝男(楽師:鳳笙・楽琵琶)、高多祥司(楽師:篳篥・楽琵琶)、笠井聖秀(楽師:横笛・楽箏)。
レクチャーは、第一部 日本国「雅楽以前の音楽文化」 と 第二部 「日本雅楽」の確立 がそれぞれ1時間弱で、最後に質疑応答があった。
第一部 日本国「雅楽以前の音楽文化」では、次のような話にビックリした。
・宇治平等院の国宝雲中供養菩薩は、懸けられた55躯のうち25躯が、それぞれに違う楽器を持って演奏している。
・正倉院文書の「天平琵琶譜」が今に残った経緯がほとんど奇跡的で、高多祥司による「天平琵琶譜」の演奏がとても興味深かった。
・「管弦音義」(鎌倉時代の楽書)が古代日本人のコスモロジーに基づいていて、それによる「調」の違いがもたらされている。それに関連した「桃太郎」解釈には驚いた。
第二部 「日本雅楽」の確立では、雅楽の確立と「雅楽・源氏物語」の事前レクチャーだが、実際の演奏が多く楽しめた。
・雅楽の確立には、西暦840年から150年もかけて編纂事業がなされ、現在まで…