加藤健一事務所が2018年に上演した舞台の再演。福岡市民劇場の6月例会作品。午後6時半からももちパレス 大ホールで観た。大いに期待した舞台だったが、期待外れだった。
作:ロナルド・ハーウッド、訳:松岡和子、演出:鵜山仁。出演は、加藤健一、加納幸和(花組芝居)、西山水木、佐伯太輔、照屋実、岡﨑加奈、一柳みる(昴)。
2幕の舞台で、上演時間は休憩15分込みで2時間40分。
(あらすじ) 第二次大戦中のある夜、イギリスの小劇場で巡業劇団がシェイクスピアの「リア王」を上演する。爆弾が落ち空襲警報が鳴り響く中、開幕まで1時間だというのにリア王を演じる座長(加藤健一)の姿がどこにも見当たらない。彼の付き人ノーマン(加納幸和)は、上演のために必死で手を尽くす。果たして座長は時間までに現れるのか? 現れたとしても舞台に立つことはできるのか?
加藤健一事務所らしくない、鵜山仁演出らしくない雑駁さだ。
第1幕は、ノーマン(加納幸和)と座長夫人(西山水木)の会話など、チマチマした演技で声も通らない。展開も鈍くて、とても退屈。第1幕と対照的にして第2幕を盛り上げようとしたのかも知れないが、そのつまらなさには白ける。
第2幕は、ドイツによる空襲下で上演する「リア王」の舞台のバックステージなのに、いかにもノンビリとしていて、空襲下なのにピリピリした緊張感はない。それでも何とか見れたのは、よくできた原作戯曲の賜物だろう。
リア王役の座長(加藤健一)は、バックステージだとはいえ、気品がなさ過ぎる。
衣装が陳腐なのは全体的に言えるし、美術、音楽、効果などでも的外れたところが目立った。
(写真は2018年の舞台)
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