映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」

640.jpg

2021年製作のイギリス映画で、上映時間は129分。午後3時半からキノシネマ天神で見た。
原作・モデル:モハメドゥ・ウルド・スラヒ、監督:ケビン・マクドナルド、製作:ベネディクト・カンバーバッチ。
出演は、ジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、ベネディクト・カンバーバッチク、シャイリーン・ウッドリー ほか。

(あらすじ) 2005年、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)は、アフリカのモーリタニア出身のモハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)の弁護を引き受ける。9.11の首謀者の1人として拘束されたが、裁判は一度も開かれていない。キューバのグアンタナモ収容所で地獄のような投獄生活を何年も送っていた。ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴える。時を同じくして、テロへの“正義の鉄槌”を望む政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が起訴を担当する。真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まる。モハメドゥから届く手紙による“証言”の予測不能な展開に引き込まれていくナンシー。ところが、再三の開示請求でようやく政府から届いた機密書類には、百戦錬磨のナンシーさえ愕然とする供述が記されていた──。(公式HPより)

モハメドゥ・ウルド・スラヒ著「グアンタナモ収容所 地獄からの手記」(2015)に書かれた実話を基に描いた法廷サスペンスドラマ。
「グアンタナモ収容所 地獄からの手記」は、この映画の公開に合わせて「モーリタニアン 黒塗りの記録」と改題されて文庫化された。

“グアンタナモ収容所”とは、キューバのグアンタナモ湾にあるグアンタナモ米軍基地内に設置。同時多発テロ以降、米国がアルカイダ幹部やテロリストを収容するために設けられた。少なくとも15人の子どもを含む約780人がアフガニスタンなど南西アジア、中東やアフリカから連行され、司法手続きなしに厳しい尋問や拷問、長期拘禁を強いられている。この実態が明らかとなり、国際社会や人権団体からの非難が相次ぎ、2009年オバマ政権が閉鎖を表明したが難航、現在も実現には至っていない。(公式サイトより)

驚愕の事実が多すぎる。
ウィキペディアの「モーリタニアン 黒塗りの記録」の項目には、「アメリカ同時多発テロ事件から2ヶ月後の2001年11月、モーリタニア人のモハメドゥ・オールド・サラヒは、ある晩現地警察に連行され、そのまま米国政府に捕らえられた。」とある。こういう行為を米国政府がなぜ行えるのか。
グアンタナモ米軍基地がキューバにあることにもビックリ。アメリカはキューバの敵対国ではなかったのか。
米軍が拷問と虐待で被告の強制された自白を引き出し、正規の裁判を経ずに罰することができる権限は何に拠っているのか。

わけがわからない。まずは、モハメドゥ・ウルド・スラヒの著書を読んでみるしかない。

この記事へのコメント