2022年劇団☆新感線42周年春公演 いのうえ歌舞伎「神州無頼街」の東京建物Brillia HALLでの公演のライブビューイングを、午後0時から3時25分まで、T・ジョイ久留米で見た。
作:中島かずき、演出:いのうえひでのり
出演:福士蒼汰、松雪泰子、髙嶋政宏、粟根まこと、木村了、清水葉月、宮野真守、右近健一、河野まさと、逆木圭一郎、村木よし子、インディ高橋、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁、川原正嗣、武田浩二、藤家剛 ほか
(あらすじ) 時は幕末、ところは駿河国の清水湊。清水次郎長(川原正嗣)の快気祝いに集まっていた、甲州駿河の名だたる博徒の親分衆が殺されてしまう。新興の侠客・身堂蛇蝎(髙嶋政宏)が妻・麗波(松雪泰子)、息子・凶介(木村了)、娘・揚羽(清水葉月)とともに乗り込んできて、蠍を使って親分衆を亡き者にしたのだが、次郎長だけは町医者・秋津永流(福士蒼汰)の毒消しでかろうじて助かる。
その次郎長に頼まれて永流と"口出し屋"の草臥(宮野真守)は、謎に満ちた蛇蝎一家を探るため、彼らの根城である富士の裾野の無頼の宿を訪れる。
2020年の上演予定が、新型コロナウィルスの感染拡大のために公演延期となった舞台だ。
劇団☆新感線の舞台では、うまく乗れないのがたまにある。この舞台がそうだった。
幕末動乱期を舞台に大きな展開のように見せかけながら、実際にはうまく構成できていなかった。
その結果、薄い骨格に過剰なデコレーションを施した暑苦しいだけの舞台になってしまっていた。
フィクションなんだからあまり細かいことを言いたくはないが、かなり身勝手なわざとらしいやり様は気にはなった。
毒蠍はまぁいいとしても、なりきり虫とか、麗波の性転換とか、安易な発想で違和感があったし、あとを考えない親分衆皆殺しなども引っかかった。
そして、蛇蝎一家の最終的な目的も絵空事としか見えず、モチベーションにならない。
俳優たちはよかった。
宮野真守が三枚目のみごとなしゃべりと歌で見せた。福士蒼汰は殺陣がよかった。
蛇蝎一家の松雪泰子、髙嶋政宏、木村了、清水葉月は個性タップリで、粟根まこと、右近健一、河野まさと、逆木圭一郎、村木よし子がガッチリとまわりを固めていた。
清水次郎長役の川原正嗣が、ひとりリアルな演技で浮いているのがおもしろかった。この人の殺陣のカッコよさにはビビった。
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