市川團十郎特別公演 昼の部「通し狂言 三升先代萩」(松竹)

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博多座で観た。上演時間は2回の休憩40分を含めて2時間45分。
出演は、市川團十郎、大谷廣松、中村虎之介、市川九團次、片岡市蔵、市川右團次 ほか

(あらすじ) 足利家の乗っ取りを企む執権仁木弾正。仁木弾正の悪だくみにより足利家当主の足利頼兼は遊興に耽り。傾城高尾に入れ揚げている。
御家追放の身でありながら、足利家存続を願う名古屋山三は、その高尾と恋仲であり、横恋慕する不破伴左衛門と斬り合いになりかける。
一方、弾正の企みによりあわや闇討ちに合うところ、頼兼を救ったのは屈強な力士の絹川谷蔵。しかし頼兼は、放蕩を理由に将軍家から隠居を命じられ、家督は頼兼の嫡子・鶴千代が継ぐことに。乳人政岡は、命を狙われる鶴千代を命懸けで守ろうとする。
必死に鶴千代を守る政岡だが、栄御前や弾正の妹・八汐の策略により政岡は自身の子である千松を失う。我が子の死を前にしても顔色を変えずに耐える政岡を信用した栄御前は、弾正の悪事の証拠となる連判状を政岡に手渡す。


見どころは市川團十郎の、仁木弾正、不破伴左衛門、足利頼兼、絹川谷蔵、乳人政岡、荒獅子男之助、細川勝元 を演じ分ける七役早替わり。ビックリする速さだ。
開幕から5分強、人物相関図をストーリーと併せて團十郎が自ら解説する。これには助けられる。

「通し狂言 三升先代萩」は、「伽羅先代萩」に「不破名古屋」の世界を取り入れた五世團十郎による先行作を元に、令和3(2021)年に書き下ろされた作品。
團十郎は、「お家騒動の話をご存知ない方々にどうやってアクセスするかを考えて、古典と新作の中間地点に置いたこの演目で、古典のブラッシュアップのような形に挑戦していきたい」という。その目論見は成功している。

ただ、團十郎が乳人政岡をじっくりと演じる第二幕には違和感があった。
政岡はわが子を助けようともせず、幼い主君のそばについて主君を守り通した。忠義が最も重んじられた徳川時代ならまだしも、これにはとても同調はできない。

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